日本は、火星圏への史上初の往復探査となる野心的なミッションの打ち上げ準備を進めている。探査機MMX(Martian Moons eXploration)は2010月、種子島宇宙センターからH3ロケットで打ち上げられる。
目的はフォボスに到達し、少なくとも10グラムの土壌を採取し、2031年に試料を地球へ持ち帰ることだ。他の惑星の衛星の物質が地球の実験室に戻るのは初めてのこととなる。
機体は最大3年間フォボスの軌道上にとどまり、その表面を調査するとともに、第二の火星衛星ダイモスを観測する。着陸に先立ち、フランスとドイツが開発した小型ローバーIDEFIXが機体から降ろされる。
「フォボスからの試料採取はもちろん世界初だが、それはつまり……火星圏への初の往復飛行を意味する」と、MMXプロジェクトのリーダー、川勝康弘氏は述べた。
このミッションは、フォボスとダイモスが火星への巨大衝突によって形成されたのか、それとも小惑星として惑星の重力に捕獲されたのかという重要な問いに答える助けとなる。その答えは、太陽系に水と有機物がどのようにもたらされたのかを明らかにする。
フォボスの弱い重力と、火星の「重力の井戸」から脱出する必要性は、深刻な工学的課題を生み出している。日本の専門家たちは、2020年に小惑星から試料を持ち帰ったはやぶさ2ミッションの経験に依拠している。
この計画にはNASA、ESA、CNES、DLRが参加している。中国が2028年頃に独自の火星ミッションTianwen-3を打ち上げる計画を進める中、MMXは赤い惑星の探査における競争の激化を浮き彫りにしている。
このミッションは、岩石惑星における生命の起源の理解に新たなページを開くことができるだろうか。

