ウィリアムズバーグのノース・エイス・ストリートにある旧倉庫には、挽きたての小麦粉の香りが満ちている。店で買ったものではなく、その場で石臼を通したばかりの粉だ。それでこねた生地からは、ほんのり歯ごたえのあるクラストと、気泡を含んだクラムが生まれ、そこにはアメリカ東部の穀物ならではのミネラル感が感じられる。
アメリカ東海岸の気候と土壌が育む穀物は、カリフォルニア産やヨーロッパ産とは異なる風味の輪郭を持つ。ミネラル感がより際立ち、酸味は穏やかだ。Altbauの製粉所は、まさにこうした穀物を挽き、ふすまと胚芽の粒を粉に残す。それがパンにしっかりとした食感と長い余韻をもたらす。
Tartineの創業者、チャド・ロバートソンは、長時間発酵と地元の食材を使ったパン作りに20年にわたり取り組んできた。Altbauでは、穀物から一斤のパンに至るまでの全工程をニューヨークのひとつ屋根の下に集約する。これまでは、原料の仕入れを外部に頼らざるを得なかった。
自家製粉所を立ち上げる決断は、短いサプライチェーンと持続可能性へのパン職人たちの関心の高まりを映している。アメリカ東部の農家には直接販売の販路が生まれ、ベーカリーは製粉から焼き上げまで、小麦粉の品質を管理できるようになる。
オープン日は2026年10月29日。住所は184 North Eighth Street、ベッドフォード・アベニューとドリッグス・アベニューの間だ。11月初旬には、Atelier Septemberのデンマーク人ベーカー、フレデリック・ビレ・ブラエを迎える予定で、共同で生み出すパンを味わえる貴重な機会となる。
訪れるなら早めがおすすめだ。焼きたてのパンはすぐに売り切れてしまう。カウンターで一斤を選び、その重みと香りをじかに確かめる朝のひとときは、地元の穀物と職人の手から生まれる、ほかでは再現できない味を最もよく知る機会になる。
