2026年9月、科学誌Insect Systematics and Evolutionに、オーストラリア産の草食性カメムシの新属Swiftiephylusが記載された。この名称は、歌手のファンの愛称「Swiftie」と、この昆虫群に典型的な語尾を組み合わせたものである。属内の4種には、テイラー・スウィフト本人とそのアルバムを想起させる名前が付けられた:Swiftiephylus taylorae、S. amator(『Lover』)、S. intrepidus(『Fearless』)、S. poetorum(『The Tortured Poets Department』)。
この発見は、カリフォルニア大学リバーサイド校の昆虫学者たちが、1995~2004年にオーストラリアで採集された593点の博物館標本を調査して行った。全部で12の新種が記載され、5属に振り分けられた。これらのMiridae科の小型カメムシは、モクマオウやアロカジュアリナの低木に生息し、赤い斑点のある淡黄色の体色が花の間でのカモフラージュに役立っている。
研究の著者であるサラ・シュレーダーは、歌手の長年のファンであり、この命名の選択について、アーティストに敬意を表すると同時に、まだ研究されていない膨大な昆虫の多様性に注目を集めたいという願いがあったと説明した。彼女によれば、昆虫の明るい「髪」と赤いアクセントは、スウィフトのトレードマークである明るい巻き毛と赤い口紅を思わせるという。同様の命名はこれまでも他の種に対して行われてきたが、属全体がポップスターと結び付けられたのは今回が初めてである。
こうした発見は、よく研究されている大陸でさえ、私たちがいかに生命についてほとんど知らないかを示している。独特の植物相を持つオーストラリアの生態系は、依然として驚きをもたらし続けており、博物館のコレクションは新たなデータの貴重な源であり続けている。著名人にちなんだ命名は、科学を一般の人々にとって身近なものにし、これらの目立たないながらも生態系に欠かせない種が生息する場所を保全することの重要性を強調するのに役立つ。
Swiftiephylusのカメムシは害虫とはみなされておらず、オーストラリアの森林や低木地の複雑な食物網の中で、おそらく何らかの役割を果たしている。その発見は、新たな学名の一つひとつの背後に、しばしば数十年に及ぶ、標本の採集・比較・分析の長い作業があることを思い起こさせる。

