ポーランドでは現在、ホスピスや緩和ケア病棟の患者に対し、ペットとの面会を法的な権利として認める法案の策定が進められている。この取り組みは、ワルシャワ医科大学緩和医療クリニックのトマシュ・ジェルジャノフスキ博士が提案し、ドナルド・トゥスク首相率いる政党のカタジナ・ピエカルスカ議員によって国会に提出されたもので、2026年6月に審議が開始された。
現在、多くの医療機関でペットの面会は医師の裁量により許可されているものの、統一された法的な規制は存在しない。ジェルジャノフスキ博士は、愛着のある動物の存在が、とりわけ「孤独のパンデミック」という状況下にある末期患者の肉体的、精神的な苦痛を和らげると強調する。博士は、自身の飼う2匹の猫を何よりも案じていたヴァルデマールという患者の例を挙げ、面会が実現した際に彼が流した嬉し涙や、周囲の動物と患者の反応を見て、法制化の必要性を確信したという。
胆嚢がんを患う70歳のエヴァ・ルトカ=クラブチックさんも、保護施設から引き取った愛犬ガイアとの再会を心待ちにしている。自宅に残されたガイアは、飼い主を待つあまり食事も満足に取れていないという。ジェルジャノフスキ博士は、自身のクリニックですでに条件が許す限りこうした面会を認めており、動物の存在は患者本人のみならず、家族の救いとなり、医療スタッフのストレスをも軽減すると述べている。
クリニックでは、オーストラリアン・シェパードのクリュスカといったセラピードッグも導入されている。犬との触れ合いを通じて、患者は柔らかな毛を撫でたり、簡単な指示を出したりすることで、一時的にでも病気の苦しみから解放される。ボランティアのマルゴジャータ・ブジョゾフスカ氏によれば、患者自身のペットによる効果はより顕著であり、再会によって人と動物の双方が安らぎを得るだけでなく、動物側も飼い主がどこにいるのかを理解して安心できるという。
法案は現在、保健委員会での検討段階にある。発案者らは、すでに医療現場での動物の受け入れは行われており、全ての患者に平等な機会を保障するためにも、法的なレベルでこのプロセスを規定することが重要であると主張している。



