2025年5月29日、中国は西昌衛星発射センターから「天問2号」を打ち上げ、約10年にわたる小惑星探査とサンプルリターンの旅を開始しました。
「天問2号」の主な目的は、地球近傍小惑星「カモオアレワ」(2016 HO3)からサンプルを採取し、地球に持ち帰ることです。カモオアレワは地球の準衛星として知られ、月から飛散した破片である可能性が指摘されています。
ミッションの初期段階では、探査機が地球と月の画像を撮影し、その運用能力を実証しました。これにより、探査機の状態が良好であることが確認されました。
「天問2号」は、カモオアレワからのサンプルを2027年末に地球に持ち帰る予定です。その後、火星と木星の間に位置する主帯彗星「パンスターズ彗星」(311P/PANSTARRS)を目指し、2035年頃に到達する計画です。
このミッションは、中国の宇宙開発における重要なステップであり、深宇宙探査技術の向上と太陽系の起源に関する理解を深めることが期待されています。