実験室ではすでに、古典物理学のあらゆる予想に反して、数百万個の原子が一つの全体として振る舞う量子状態が作られている。新たな「広範サイズ」と「もつれサイズ」という尺度により、機械系を用いた実際の実験において、このコヒーレンスともつれの規模を正確に見積もることが可能になる。
ドイツのジーゲン大学のベンヤミン・ヤディンと、北京大学およびETH Zürichのマッテオ・ファデルの両理論物理学者は、2026年30月に学術誌Quantumで、二つの独立した尺度を導入する論文を発表した。第一の尺度であるextensive sizeは、原子スケールに対してコヒーレンスがどの程度の距離や運動量にわたって保たれるかを示す。第二の尺度であるentangled sizeは、観測されたデータを説明するために、もつれていなければならない部分系の最小数を数え上げる。どちらの尺度も量子情報理論の厳密な概念に基づいており、実験結果に適用できる。
著者らはこの尺度を、微小機械振動子や分子回折を用いた最近の実験に適用した。その結果、真の多体もつれ(genuine multipartite entanglement)の下限として、10^5個から10^7個の原子という値が得られた。これは、観測された干渉縞を説明するには、まさにこれだけの数の粒子がもつれていると見なす必要があり、それより少なくては説明できないということを意味する。
ありふれた電飾の列を思い浮かべてほしい。一つの電球が切れると、回路全体が消えてしまうことがある。これに対し、ここでのもつれは原子を、系全体の振る舞いが個々の粒子ではなく集団的な量子状態に依存するように結びつける。新たな尺度が捉えているのはまさにこの性質であり、まったく異なる実験を同一の尺度で比較することを可能にする。
この研究は、現代の機械系がすでに、量子効果が巨視的レベルで現れる領域に近づいていることを示している。これは、量子重力によって課される可能性のある限界を含む根本的な問題の検証への道を開くとともに、より安定した量子センサーや計算素子の創出にもつながる。
30年2026月にQuantumで発表されたこの成果は、巨視的量子力学の進展を評価するための明確な道具を提供し、今後の実験に向けた新たな指針を打ち立てるものである。
