2025年5月2日、小惑星ベスタが衝（しょう）となり、今年最高の観測機会を迎えます。衝とは、地球から見てベスタが太陽と正反対の位置に来る現象で、これによりベスタの照度と明るさが最大になります。
ベスタは肉眼では見つけにくいかもしれませんが（等級+5.7）、双眼鏡や望遠鏡を使えば、はっきりとした光点として容易に観察できます。ベスタの位置を特定するには、日没後の南東の空に天秤座を見つけ、青色矮星のズベンエシャマリを探してください。ベスタはズベンエシャマリの右上10度以内に位置し、16 Librae星の近くにあります。
衝の時、ベスタは地球から約1億7700万キロメートル（1.182天文単位）の距離にあります。ベスタはメインの小惑星帯で2番目に大きな小惑星で、直径は525キロメートルです。NASAの探査機ドーンは、2011年と2012年にベスタを周回し、その組成や地質学的特徴に関する貴重なデータを提供しました。ベスタの次の衝は2026年10月に起こります。