メインクーンは、単なる猫ではありません。彼らはフワフワの外交官であり、毛むくじゃらのレトリバーであり、家庭の居心地を司るマネージャーでもあるのです。以下にご紹介するのは、飼い主さんたちの実体験から生まれた愉快なエピソードです。メインクーンと暮らしている方なら、きっと愛猫の姿を重ね合わせるはずですし、そうでない方も、いつか運命の出会いがあるかもしれません。

マルスの物語

ある日、飼い主が浴室のドアを少し開けたまま仕事に出かけました。帰宅すると、蛇口から水が出ており、半分ほど溜まったバスタブの中央に、まるで氷の上のアザラシのようにメインクーンのマルスが鎮座していました。飼い主の姿を見ても、彼は驚く様子もありません。ゆっくりと頭を上げ、飼い主の目を見つめると、長く「ルルル〜ニャオ」と鳴き、浮かんでいたアヒルのおもちゃを前足で自分の方へ引き寄せました。
水が止められると、マルスはバスタブから出ましたが、体を震わせて水を飛ばし(その被害範囲は半径1.5メートルに及びました)、キッチンへと向かってタオルと食事を要求しました。そしてフードも。水仕事は、彼にとって重労働だったようです。
「品質管理マネージャー」
在宅で「仕事」をするメインクーンの話です。この猫は、飼い主を「手伝う」ことに決めました。まずはノートパソコンの上に陣取り、「プロセッサの温度チェック」を開始しました。次に、30秒ごとに前足でEnterキーを押し、レポートの「編集」を手伝い始めたのです。飼い主が冷蔵庫を開けると、中を覗き込んで頷き(「よし」という風に)、前足で器用にソーセージを一本取り出してテーブルの上に置きました。おそらく「全体のバランス」を考えたのでしょう。
今や彼は、正式に家庭内ビジネスの共同経営者として名を連ねています。給料は週に3パックのパテ、炊きたての洗濯物の上で眠る権利、そしてテレビのリモコンに対する絶対的な支配権です。
なぜこんなことが起きるのか?(要点を簡潔に)
- 猫の体に宿る犬の魂:メインクーンは歴史的に農場で働き、ネズミを狩り、人間に寄り添ってきました。そのため、物を運ぶ、後を追う、「参加する」といった本能が根付いています。
- 多彩なボイス・バリエーション:さえずるような鳴き声やゴロゴロ音は、船や納屋といった騒がしい場所で意思疎通を図るための進化の証です。家庭では、これが一種の「交渉モジュール」として機能しています。
- 水への愛:この種の祖先は川や港の近くで暮らすことが多く、密度の高い撥水性の被毛は水に濡れることを厭いません。蛇口やシンク、シャワーに強く惹かれるのはそのためです。
- サイズと自己認識のギャップ:メインクーンは3〜4歳まで成長し続けるため、自分がもう子猫ではないという自覚がなかなか芽生えません。箱に無理やり入ろうとしたり、カーテンの後ろに隠れたり、膝の上でスツールのようになろうとするのはそのせいです。
- もしメインクーンが悪さをしても、叱らないであげてください。ただ、じっと目を見つめてみましょう。彼らは自分が悪いことを分かっています。しかし、それは「最初からの計画」だったと考えているのです。正直なところ、彼らのその理屈に反論するのは至難の業です。




