三菱重工業は2025年6月29日、種子島宇宙センターから50機目にして最後のH-IIAロケットを打ち上げに成功しました。今回の打ち上げでは、温室効果ガスと水循環に関する全球観測衛星(GOSAT-GW)、別名いぶき2号が軌道に投入されました。このミッションは、2001年から運用されてきたH-IIAロケットシリーズの終了を意味します。
GOSAT-GWは、海洋表面温度や温室効果ガス濃度に焦点を当て、環境変化を監視するように設計されています。この衛星には、高性能マイクロ波放射計3(AMSR3)と温室効果ガス観測センサー(TANSO-3)が搭載されています。AMSR3は水の循環と海面温度の変動を測定し、TANSO-3は大気中の二酸化炭素を監視します。
H-IIAシリーズは24年間で98%の成功率を達成し、多数の衛星と探査機を打ち上げてきました。日本は現在、より低いコストで同等の性能を目指し、H3ロケットシリーズに移行しています。今回の打ち上げ成功は、日本の宇宙技術と環境監視への取り組みを浮き彫りにし、地球規模の気候変動対策に貢献しています。