2025年5月、オーストラリア南極観測プログラムは、東南極のドームCノースで、3,000メートルの氷床コアの採取を開始しました。このプロジェクトは、世界最古の連続した氷床コアを回収することを目的としており、その年代は200万年前に遡る可能性があります。
掘削地点は、ケーシー研究ステーションから1,200キロメートル離れた標高3,000メートルの地点に位置し、気温は氷点下50度以下に達することもあります。10名のチームが6台のトラクターを駆使し、約600トンの機材を氷上輸送しました。このプロジェクトは、日本の研究者も参加する国際的な協力体制のもと、進められています。
この「MYIC(200万年前の氷床コア)プロジェクト」は、ペドロ博士が率いるもので、過去の大気組成に関するデータを提供することを目指しています。チームは2025/26年の夏に掘削を再開し、2028/29年のシーズンまでに完了することを目指しています。地球温暖化が深刻化する現代において、過去の気候変動を理解することは、未来への対策を講じる上で非常に重要です。このプロジェクトの成果が、日本の気候変動対策にも貢献することを期待します。