2025年6月5日、NASAの月探査機(LRO)は、月のMare Frigoris地域におけるispaceの月面着陸機Resilienceの衝突地点の画像を捉えました。東京に拠点を置くispace社が2025年1月15日に打ち上げた着陸機は、2023年の以前の失敗に続き、2回目の月面着陸を試みていました。
降下中、Resilienceは予定着陸の約90秒前にミッションコントロールとの通信を失いました。テレメトリデータは、着陸機が予想よりも速く降下しており、ハードランディングにつながったことを示しました。初期分析では、月面までの距離を測定するレーザー距離計の故障により、着陸機が軟着陸のために十分に減速できなかったことが示唆されています。
LROの画像は、衝突地点に暗い汚れを示しており、衝突中に乱された月の塵によって薄いハローができています。これは、ispaceにとって2年間で2回目の月面ミッションの失敗となります。ミッションは当初、1月にケープカナベラルから打ち上げられました。
Resilienceは、ヨーロッパ初の月面探査車「Tenacious」や、スウェーデンのアーティストMikael Genbergによるアートインスタレーション「The Moonhouse」など、いくつかのペイロードを搭載していました。この失敗にもかかわらず、ispaceは、2027年に予定されているNASAとのより大型の着陸機の共同開発を含む、将来のミッションを継続する予定です。
この失敗は、民間企業が月面探査で直面する課題を浮き彫りにしており、月面着陸に成功しているのは、ごく一部の国と民間団体だけです。ispaceは、月面探査を推進することに引き続き取り組んでおり、今回のミッションで発生した問題への対応を進めています。