インターネットインフラストラクチャプロバイダーとして知られるCloudflareは、コンテンツ制作者の権利保護に向けた重要な一歩を踏み出しました。彼らは、AIクローラーが明示的な許可や対価なしにウェブサイトのコンテンツにアクセスすることをデフォルトでブロックする設定を導入します。この措置は、AI企業によるコンテンツ利用に関して、コンテンツ制作者がより大きなコントロールを持つことを目的としています。
2025年7月1日より、Cloudflareのサービスを利用する新しいウェブドメインでは、AIクローラーのアクセス許可について決定を求められるようになります。これは、AI企業がアクセスを申請し、そのクローラーの目的(学習、推論、検索など)を明確にする責任を負うことを意味します。この変更は、AI技術の発展とコンテンツ利用のバランスを模索する上で、重要な意味を持ちます。
Cloudflareのこの取り組みは、AIクローラーが無制限にコンテンツを収集することへの懸念に対応するものです。この行為は、コンテンツ制作者から収入と認知を奪う可能性がありました。無許可のスクレイピングをブロックすることで、Cloudflareはインターネットの未来を守り、著作権保護の重要性を改めて示しています。日本のクリエイターにとっても、これは自身の作品を守るための新たな選択肢となり得ます。
クローラーのブロックに加え、Cloudflareは「Pay Per Crawl(クロール課金)」プログラムも導入しました。この機能により、コンテンツ制作者は、AI企業が自身のコンテンツを使用する際に料金を設定できます。これは、モデルのトレーニングや、検索拡張生成(RAG)などに利用されます。このプログラムは現在、プライベートベータ版として提供されています。
GannettやThe Associated Pressなど、主要な出版社もCloudflareの取り組みを支持しています。彼らはこれを、公正な価値交換に向けた一歩と捉えています。これは、クリエイターを保護し、質の高いジャーナリズムを支えることにつながります。日本の出版社にとっても、著作権保護とコンテンツの価値を両立させるための重要なヒントとなるでしょう。
Cloudflareのこの動きは、AI時代におけるコンテンツ制作者にとって大きな変化を意味します。コンテンツへのアクセスをブロックし、課金するためのツールを提供することで、Cloudflareはオンラインにおける知的財産権尊重の新たな基準を打ち立てています。これは、日本における著作権保護の議論にも影響を与える可能性があります。