古代ローマのガルム、DNA分析でレシピ解明:伝統の味を科学が紐解く

スペインとポルトガルの研究者チームが、古代DNA分析を用いて、ローマ時代に珍重された発酵魚醤「ガルム」の秘密を解き明かしました。

スペインのオ・グローヴで発見された塩漬け槽の遺物を中心に調査が行われ、その結果、ガルムの主要な材料としてヨーロッパマイワシ(Sardina pilchardus)が特定されました。これは、歴史的な記述と一致しており、ガルムの組成に関するこれまでにない詳細な情報を提供しています。

この画期的な古代DNAの活用は、ローマの食文化への興味深い洞察をもたらします。ガルムに使用された具体的な材料が明らかになっただけでなく、歴史的な食品製造技術を再構築する上での、この科学的手法の有効性も示されました。この研究は、古代世界の食文化に関するさらなる調査への扉を開き、食の探求を続ける私たち日本人の心にも響くものがあります。

ガルムは、日本の魚醤、例えば「しょっつる」や「いしる」といった発酵食品に通じるものがあり、その製法には、日本人が古来より培ってきた発酵技術への深い理解と、食材への敬意が感じられます。今回の研究は、単なる歴史的事実の解明にとどまらず、食文化の多様性と、それを支える技術の重要性を再認識させてくれる、貴重な成果と言えるでしょう。研究チームの皆様に、心より敬意を表します。

ソース元

  • ABC TU DIARIO EN ESPAÑOL

  • National Geographic

  • Cadena SER

  • El País

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