理研の数理物理学者と共同研究者による画期的な発見により、量子技術の進歩に不可欠なプロセスであるエンタングルメント蒸留の厳密な式が得られました。日本とオランダで行われたこのブレークスルーは、量子コンピューティングおよび通信システムのパフォーマンスを大幅に向上させる可能性があります。
距離に関係なく粒子を結び付ける神秘的な量子現象であるエンタングルメントは、これらの技術の基本です。ただし、現実世界の量子システムは、ノイズが多く、弱くエンタングルした状態を生成し、その有効性を妨げています。エンタングルメント蒸留または精製は、複数のノイズの多い状態を、より少ない、最大限にエンタングルした状態に変換することで、これに対処します。
新しい公式は、ノイズの多い量子状態からエンタングルメントを蒸留できる速度を決定するための正確な方法を提供します。このような厳密な式が導き出されたのは2回目で、20年間科学者を困惑させてきた問題に対する解決策を提供します。現在の実験では、大量の量子ビットを操作する際の制限により、式を完全に活用できない可能性がありますが、この理論的な進歩は、量子技術の将来の進歩への道を開きます。