北マケドニアのプリレプ近郊、ドリステで発見された古代ローマ浴場は、技術的観点から見ると、ローマ時代の革新的な技術と、人々の生活への影響を浮き彫りにするものです。この発見は、単なる遺跡の発見にとどまらず、当時の技術水準と社会構造を理解する上で重要な手がかりとなります。
発見された浴場には、スダトリウム(蒸し風呂)とプレフルニウム(暖房システム)が含まれています。スダトリウムは、セラミック床の下に複数のニッチがあり、マルターと呼ばれる装置によって水が温められていました。プレフルニウムは、スダトリウムを暖めるための重要な役割を果たしました。これらの技術は、ローマ人がどのようにして快適な生活空間を作り出していたかを示しています。
2025年の発掘調査では、古いローマ街道に設置された約2.5メートルの深さの柱の基部も発見されました。これは、当時の都市、おそらくペラゴニアの重要性を示唆しています。北マケドニア文化観光省の支援を受けて行われたこの発掘調査は、11メートル×9メートルの規模を持つスダトリウムの詳細を明らかにしており、北マケドニアにおけるローマ浴場の発見としては最も重要なものの一つです。
この発見は、ローマ時代の技術革新が人々の生活にいかに深く関わっていたかを示しています。浴場は、単なる入浴施設ではなく、社交の場としても機能し、人々の生活に不可欠な要素でした。古代ローマの技術は、現代の技術にも影響を与えており、その遺産は今もなお、私たちの生活に影響を与え続けています。