宇宙の深淵からの電波バースト、宇宙の「失われた」物質を解明

作者: Uliana S

宇宙の深淵からの電波バースト、宇宙の「失われた」物質を解明-1

広大な宇宙において、恒星や惑星、そして私たち自身を構成する通常の物質は、長らく天文学者を悩ませる謎でした。ビッグバンに基づいた理論的計算では、特定の量のバリオン(陽子と中性子)が予測されていました。しかし、望遠鏡での観測では、この物質のかなりの部分がまるで消えてしまったかのようでした。それはどこに隠れていたのでしょうか?その答えは、謎めいて強力な電波バースト、すなわちFRB(Fast Radio Bursts)のおかげで明らかになりました。

これらの数ミリ秒しか続かない、短く明るい電波パルスは、遠い銀河から発生します。それらは、希薄なプラズマ、つまりイオン化されたガスを通過しながら、数十億光年を旅します。この経路で、信号は分散します。低周波数は高周波数よりも遅延が大きくなります。経路上の自由電子の数が多いほど、「広がり」は大きくなります。この効果が、見えない物質の「重さを量る」理想的なツールとなりました。

MITやマギル大学などの研究機関の科学者が参加する国際共同研究チームCHIME/FRBは、CHIME望遠鏡の第2カタログから約3000回のFRBを分析しました。彼らは、分散データとDESI Legacy Imaging Surveyからの数百万個の銀河の位置を照合しました。Physical Review Lettersに掲載された結果は、印象的なものでした。

「失われた」バリオンは、銀河間物質(IGM)だけでなく、銀河自身の周囲の広大で希薄な雲、いわゆる銀河囲い込み環境(CGM)にも集中していることが判明しました。このガスは、予想よりもはるかに遠くまで広がっており、銀河から約400万光年離れたところまで達しています。これは、典型的な銀河のサイズの数十倍に相当します。銀河が多い場所では、その周囲の物質も多くなります。これは、銀河が超大質量ブラックホールのジェットや超新星爆発のようなプロセスを通じて、ガスを積極的に外部に「放出」していることを示唆しています。

想像してみてください。銀河は閉じたシステムではなく、周囲の空間に物質を噴き出す噴水なのです。以前のシミュレーションでは、よりコンパクトな分布が予測されていましたが、現実は異なり、ガスは巨大な「ふわふわした」雲を形成していました。これは、銀河の進化と宇宙ネットワーク全体の理解を変えるものです。

この研究は、長年の「ミッシング・バリオン」の謎を解くだけでなく、新しい手法の強力さも示しています。FRBは、宇宙の目に見えない領域を照らす宇宙プローブとして機能します。検出されるFRBの数が増えるにつれて(1日に数千件検出されています)、天文学者は物質の分布をさらに正確にマッピングし、宇宙の大規模構造形成モデルを検証できるようになります。

この研究は、FRBのような予期せぬ現象が、謎から強力なツールへと変貌する見事な例です。これらのミリ秒単位のフラッシュに、他に何が隠されているのかは、今後の観測によって明らかになるでしょう。宇宙は、一度に一つずつ電波バーストを放出しながら、その秘密を徐々に明らかにしています。

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ソース元

  • Physical Review Letters

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