長らく閉ざされていたパリのセーヌ川が、1世紀以上の時を経て、ついに一般の方々の遊泳を許可する運びとなりました。総額14億ユーロ（約2200億円）を投じた大規模な清掃プロジェクトが完了し、2025年7月5日、セーヌ川沿いに3つの新しい遊泳エリアがオープンしました。
これらのエリアは、ノートルダム大聖堂、エッフェル塔、そしてパリ東部に位置しており、観光客や地元の方々にとって、新たな憩いの場となることが期待されています。セーヌ川での遊泳は、1923年以来、水質汚染と航行上の危険を理由に禁止されていました。今回の清掃プロジェクトは、2024年のオリンピック競技開催に向けた水質改善と、市民の皆様への開放を目的として実施されました。
遊泳エリアの水質は、毎日厳しくモニタリングされており、ヨーロッパの基準を満たしています。水質情報は、色分けされたフラッグで表示され、緑色は良好、赤色は細菌レベルが高い、または強い流れがあるなど、注意が必要な状態を示しています。この夏、2025年7月5日から8月31日までの期間、パリの中心で、涼しげな水遊びをお楽しみいただけます。
このニュースは、日本の環境問題への関心の高さや、水質改善への努力を評価する国民性とも親和性が高く、セーヌ川の再生は、日本の環境保護活動にとっても示唆に富む事例と言えるでしょう。また、日本の夏祭りや海水浴の文化に通じる、水辺でのレクリエーションが、パリの新たな魅力として加わることは、非常に興味深い出来事です。