インド南部のタミル・ナードゥ州マドゥライ近郊に位置するキーラディ村では、2015年から継続的に考古学的発掘調査が行われています。これらの調査により、紀元前3世紀頃の高度な都市文明の痕跡が明らかになり、古代タミル文明の理解に新たな光を当てています。
発掘現場からは、テラコッタ製のパイプラインが発見され、当時の高度な水管理技術が示されています。これらのパイプは、生活用水や排水を一定方向に導く排水設備として利用されていた可能性があります。
また、出土した土器の破片にはタミル語系の古代文字（タミル・ブラーフミー）が刻まれており、その数は第9次調査（2023年）までで2,000点以上に上ります。これらの墨書土器や落書きの年代測定により、タミル文字の成立時期が紀元前7世紀頃まで遡る可能性が示唆されています。
これらの発見は、キーラディ遺跡が約2,600年前に工業化も進んだ都市的集落であったことを裏付けています。これにより、タミル文明が紀元前6世紀頃にはすでに都市文化を持っていたとの見解が強まり、インダス文明との比較研究も進められています。
さらに、キーラディ遺跡からの考古資料は、タミル文明が紀元前6世紀頃にはすでに都市文化を持っていたとの見解を裏付けています。これにより、インダス文明との比較研究も進められています。
これらの調査結果は、南インドの古代史に新たな視点を提供し、インド全体の歴史観を見直すきっかけとなっています。