NASAは、太陽の彩層と遷移層のエネルギーとダイナミクスを探る新たなミッション「Solar EruptioN Integral Field Spectrograph(SNIFS)」を発表しました。SNIFSは、ブラックブラントIX型の音速ロケットを用いて、ニューメキシコ州のホワイトサンズミサイル射場から打ち上げられる予定です。
彩層は、太陽の可視表面である光球と外層大気であるコロナの間に位置する層で、太陽フレアやコロナ質量放出などの現象が発生する場所です。これらの現象は、地球の宇宙天気に大きな影響を及ぼすため、その理解は重要です。
SNIFSは、紫外線のライマンアルファ線(1216 Å)やシリウムIII(1206 Å)、酸素V(1218 Å)などの特定の波長を観測することで、彩層と遷移層のエネルギーとダイナミクスを詳細に解析します。これにより、太陽の内部構造や活動の理解が深まることが期待されます。
ミッションの全体の所要時間は約15分で、打ち上げから約90秒で宇宙空間に到達し、7~8分間の観測を行い、その後3~5分で地上に帰還する計画です。ホワイトサンズミサイル射場は、打ち上げ後のロケットの安全な着地場所として適しています。
SNIFSミッションは、太陽の彩層と遷移層の理解を深め、太陽活動が地球に与える影響を予測するための重要なステップとなるでしょう。