心理的レジリエンス(精神的回復力)が長寿と関連することが、最近の研究で明らかになっています。中国の中山大学公共衛生学院の研究者らは、50歳以上の成人を対象に、レジリエンスの高さと死亡リスクの関係を調査しました。
この研究では、レジリエンスのレベルが最も高いグループは、最も低いグループに比べて、今後10年以内に死亡するリスクが53%低いことが示されました。レジリエンスは、性別やホルモン、身体のストレス反応を制御する遺伝子など、さまざまな要因の影響を受ける動的で活発なプロセスであることが示唆されています。
日本においても、ストレス社会と言われる中で、この研究結果は非常に重要です。レジリエンスを高めるための研修プログラムは、従業員のメンタルヘルスを改善し、生産性を向上させる効果があることが示されています。また、日本の伝統的な価値観である「忍耐」や「克己心」も、レジリエンスと関連性があると考えられます。
この研究は、問題から目を背けるのではなく、集中力を維持し、状況をコントロールし、困難な時でも行動を起こすことが心理的レジリエンスの本質であることを強調しています。心理的レジリエンスを高めるための具体的な方法として、マインドフルネスの実践や、認知行動療法などが挙げられます。これらの方法を通じて、より健康で活動的な人生を送ることが可能になります。